2016年06月24日〜7月23日 プリプロ・レコーディング

——つらかったことや苦労したことはありますか?
矢:曲に関する全部。
船:レコーディング?
神:そのすべてだよね。
矢:レコーディングは大変だったけど、貴重な体験でした。
——乗り越えたからこそ得られた感じがしますね。
矢:苦しんで生み出した曲には、愛着が湧くしね。
神:最初のバージョンから比較すると、『OverTime』はかなり変わっちゃっているけど、『フラッシュバック』は多少原型が残されてる。残されているって言い方は変かもしれないけど、聴き比べてみるとこんなふうになるんだなって思うよね。
矢:プロデューサーが入ると全然違うよね。メンバー以外の意見が普段はそんなに入らないからね。
神:そもそも最初は学生からの提案で『OverTime』をA面にするという話だったんだよね。でも途中から『フラッシュバック』の方がいいんじゃないかってメンバーの中で話が上がって。とりあえず学生に「言うだけ言ってみよう」って思っていたら、ちょうど同じタイミングで「相談があります」って言われて。全然違うところで、同じことを考えていたのがおもしろかった。
船:『OverTime』がA面になっていたらどうなっていたんだろうね。
矢:うちのバンドにテンポの速い曲とかないからね。
神:むしろなんでそういう話が学生の方から出たのかな。
——最初はインパクトを求めていたので『OverTime』をA面にしようという話だったんです。今までのeLSKETCHERの曲とは、ちょっとイメージの違う曲がA面に来た方がインパクトがあっていいんじゃないかということで。しかし学生の中で、『フラッシュバック』の方が聴いていくうちに曲が入ってきやすくていいよね、という意見が多数出てきたんです。話し合いに発展しましたね。
神:俺たちはなんでその話になったんだろうね。
矢:『フラッシュバック』のほうがいいよねって、なんか急に言い出したよね。
船:てか神さんが言い出したんじゃない?
神:個人的にこういう曲調のほうが好きということもあるけど、並べていった時にありそうでなかった感じがあるし、それこそ『イロトリドリノセカイ』とか『キミと星と群青と』の流れでくると、『フラッシュバック』のイメージがあった。
矢:タイアップを狙って作った曲だからね。
——『フラッシュバック』だからこそ、タイアップが取れたのかと思います。
矢:いやいやみなさんのおかげですよ!!
神:レコーディングの時に、『フラッシュバック』は大丈夫だからって空気があったのが良かったのかも。『OverTime』は、全パート大変だったし、だからこそ『フラッシュバック』は肩の力が抜けた感じが多少あって、それが逆に良かったのかもしれない。実際大変でしたけど。
矢:大変だったよね。
神:でも、結構学生の子たちは『OverTime』のほうが楽しそうに踊ったりしてましたよ。
矢:レコーディングスタジオでね。
神:だからやっぱり『OverTime』なのかなと思ったりもしたけど。『フラッシュバック』は、結構若い人向けにって言ってるけど、僕たちと同じ世代の方々からの評価もいいですよ。
——懐かしい感じがしますよね。
矢:お世話になったラジオのパーソナリティの方に「どの年代の人にも学生時代は必ずあって、その時を思い出す瞬間があるからこそ、どの年代にも受けるじゃないか」って言われましたね。
——それを考えて作っていたんですか?
矢:それは当然だよ!!(笑) 狙ってるから!! 大変だったけど、つらかったことのほうがいい思い出になるよね。
神:学校って場所で、みんなと一緒だったので、ある意味強制力があって、そういうのがあると人間ってやるんだなって思った。これが自分たちバンドだけの活動だったらこんなに考えないよ。
矢:夏休みの宿題も、終わりくらいにならないとやらないからね。

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